饺子(ギョウザ、ギョーザ)とは小麦粉に水を加えて薄くのばしてつくった皮で肉やエビなどで作った具を包み、茹でたり焼いたり蒸したりした食べ物である。それぞれ、调理の形态によって茹で饺子、焼き饺子、蒸し饺子などと呼ばれる。
歴史は古く、中国の春秋时代(纪元前6世纪顷)の遗迹からはすでに食べられていた痕迹が见つかっている。敦煌の唐代の坟墓では、副葬品として壶に入った饺子が乾燥状态で発见されている。
饺子は中国の华北の料理で、北京语の発音では「チャオズ・ジャオズ(ピン音:jiǎozi)」といい、中国东北部で特によく食べられる。清朝成立とともに中国料理の代表として普及した。それとは别に华南で発达した点心として食べられる蒸し饺子がある。
日本语での発音として一般的な「ギョーザ」という呼び方は、山东方言の発音「ギァオヅ(giaozi)」に由来しているという说のほか、満州语(満州の中国语)に由来するという说がある。山东方言说は、烟台市周辺で无声歯茎硬口盖破擦音のj([tɕ])が日本人にはガ行の音に闻こえる无声硬口盖破裂音([c])で発音されることによると思われるが、烟台周辺では「古飵(グージャ、guja)」という言い方のほうが普通であるが、「饺子」と呼ぶ场合での発音は「ギャオダ(giaoda)」や「ギャオラ(giaora)」で、これが讹った可能性は完全には否定できない。他の中国主要都市の方言では安徽省合肥で「ジオザ」と発音しているのが比较的近い。潮州语では、饺子と云呑を総称して「饺」(ギオウ、giou)と呼んでいるが、接尾语の「子」は付かず、日本语の由来とは见なせない。
一方、韩国で饺子はマンドゥ(馒头)と呼ばれるが、ギョジャとも呼ばれる。朝鲜汉字音 교자 gyoja (キョジャ~ギョジャ)が「ギョーザ」の発音とよく似ていることを根拠に、発音に関しては朝鲜半岛経由で日本に伝わったとする说が唱えられることもある(呉智英『言叶の常备薬』2004年、双叶社など)。
中国の华北で食べられる饺子は主食を兼ねたものが多く、水饺子(水饺、shuǐjiǎo)が主流。皮を厚めにし汤に入れ茹でて水切りをして食べる、日本的な表现をするならば茹で饺子である。日本では水饺子とスープ饺子(汤饺、tāngjiǎo)が混同されることが多いが、基本的に水饺と言えば茹で饺子のことを指す(中国语でのお汤は「热水」、スープは「汤」である)。饺子の中身には冷まして固体にした牛脂を入れる。これが热でとろけて何ともジューシーであり、牛脂が漏れださないように皮は厚くする。焼き饺子は锅贴(グオティエ、guōtiē)と呼ばれ残り物の饺子を焼いて食べるものというのは误りで、锅贴自体は残り物の再利用ではなく、水饺子とは皮の厚さや形状も违う别の确立されたメニューであり、日本で棒饺子や鉄锅饺子と呼ばれるものにあたる。特に台湾では锅贴のチェーン店が全国に多数展开され、その他に朝食を売る店や屋台でもメニューとして存在しており、水饺子が主流であることに変わりはないものの、非常に一般的である。またその他に、主にスナック感覚で食べられる小ぶりで日本の饺子のように皮が薄い焼き饺子(煎饺、jiānjiǎo)も屋台などで売られている。また煎饺自体が大括りでの焼き饺子の意味になり、水饺子の再利用としての焼き饺子はむしろこちらで呼ばれる。
日本で焼き饺子が主流になった背景には、终戦直后に満州地域に取り残された日本人が、残り物の饺子を焼いた物を中国人から分けてもらった事が起源であると言う说があるが、日本式焼き饺子と同じ调理法の锅贴などもともと存在するため、それらの调理法が伝わったと见るのが自然である。王将の饺子を示す店内用语「コーテー」「コーテル」は「锅贴」「锅贴儿」(锅贴のアール化)が讹ったものである。中国华北の専门店ではほぼ水饺子一択だが、屋台などでは多量に水を使わないことから、焼き饺子をメニューに采用することも多い(日本の焼き饺子と同じく蒸し焼きで水は使用する)。华东や华南では点心の一种として良く见かけられる。また、近年は"日式饺子"と称して出す店もある。
中华圏では水饺子と锅贴の具としてニンニクを入れる习惯はない。日本の饺子のニンニク的役割を果たすものはニラ(韭菜、jiŭcài)であり、ふんだんに使われた水饺子は韭菜水饺とメニューに记载されたりもする。また店によっては生のニンニク片が卓上に置かれる事もあり、食べる者の好みにより生ニンニクを啮りつつ食す方法がある。
中国で点心として食べられる饺子には皮や具や形に工夫を凝らし、皮に小麦粉ではなく米粉を使うなどさまざまなバリエーションが存在する。陕西省西安などには「饺子宴」と称する、违う种类の変わり饺子を次から次へと出すフルコースがある。
饺子はその発音が交子(子を授かる)と同じであることや、清代の银子の形に似ていることにより縁起の良い食べ物としても珍重される。また「交」には「続く、末永し」という意味もあり、春节には长寿を愿い食され、大晦日(过年、guònián)には年越し饺子(更歳饺子、gèngsuìjiǎozǐ)を食べる。また、皇帝も王朝と社稷の永続を祈愿し春节のときだけ饺子を食したという。これは元来北部の习惯であり、地域によって南部などでは饼(年糕、niángāo)が食される。
一千年前都传过去了